事例紹介

1階にテナントとして入居している飲食店の店主とのトラブルに長年に渡って困られていました。契約をまったく守らず、壁に穴を開けるなど内装を勝手にいじっており、そのため物件の持ち主であるオーナー様の立ち入りを拒んでいる状況。さらには共有部である廊下などを占拠して商品を陳列する、従業員の喫煙所にする、客の子どもの遊び場にする、駐車場を勝手に客に使わせるなど、民事上の不法行為をすべて行っているといっても過言ではないような状態でした。改善を求めてもまったく応じようとせず、まさにやりたい放題という様相です。

立退きをお願いしても応じず、賃料はしっかりと支払っているため裁判を起こしても膠着状態となり12年にも渡った係争が続きました。弁護士は20人以上も交代していて、管理会社に相談しても「地元でトラブルを起こすわけにはいかない」「コンプライアンス上引き請けられない」と断られ続け、仮に管理を引き請けたとしてもすぐに白旗を揚げてしまうという有様。弁護士にも管理会社にも逃げられ、疲弊しきった状況で当社に物件管理についてご相談いただきました。

まず当社では裁判を有利に進めるために借地借家法などの法律や証拠を保全する方法をレクチャーしました。当時担当していた弁護士も解任し、当社から紹介。オーナー様側でもポイントの押さえどころが理解できるようになり、有利に話を進められるようになりました。

オーナー様からは「物件の管理を引き請けてくれただけでも十分助かっているのですが、トラブルを解決するために動いてくださっていることに本当に感謝しています」というお言葉をいただきました。

10部屋あるアパートのうち8部屋はオーナー様、2部屋は息子の所有となっています。もともと相続で受け取ったもので、オーナー様はこの物件の売却を検討されていたのですが、息子は強く反対していました。購入を検討している業者やお客が内見に来ると、息子が物件の入り口で仁王立ちになって阻止。ものを振り回すなどの妨害行為も行い、何度も警察沙汰に。こうしたトラブルもあって、もとからの入居者も退去してしまうケースもあったそうです。

もともと息子にはDV気質があり、オーナー様（息子にとっては母）を包丁で刺し殺そうとしたこともありました。このような人物が関わっていると管理会社も弁護士も、どこも引き請けてくれません。オーナー様も最近では洗脳に近い状況に陥り、息子に物件を明け渡すのもやむなしと考えられていたようです。

物件の売却以前に人命がかかっている状況であったため、まずはオーナー様が息子から離れ、居場所を知られないようにすることが先決でした。ここまでくると直接交渉ができるわけもなく、話し合いがこじれれば危害を加えられるおそれもあるため、訴訟での解決をアドバイスさせていただきました。とはいえ、オーナー様は裁判への敷居の高さを感じられていたため、訴訟の流れや法律知識をレクチャーしながら準備を進められています。

落胆していた表情も幾分か和らぎ「管理だけでなく息子の暴力対策や訴訟手続きも手伝ってくださり、命を助けていただきました」というお言葉を頂戴しました。